ヴェスタリアサーガI 亡国の騎士と星の巫女 をクリアしての感想【ゲーム・レビュー】

2021年5月4日Vestaria Saga,ゲーム,ファイアーエムブレム,ヴェスタリアサーガ

加賀昭三氏によるシミュレーションロールプレイングゲーム(SRPG)、ヴェスタリアサーガI 亡国の騎士と星の巫女をクリアしたので感想を交えながら紹介したいと思います。

加賀昭三氏のゲーム

私は小さい時に遊んだファイアーエムブレムが本当に好きで、当時は時間を忘れてプレイに没頭したものです。加賀昭三氏はそんなファイアーエムブレムの生みの親です。

最近は新作を発表しなくなって寂しく思っていたのですが、同人ゲームとしてヴェスタリアサーガシリーズを開発しており、2016年に第一部がリリースされました。二部構成との事ですが、第二部は今だリリースされておりません。その代わり、外伝は2019年にリリースされています。

レトロなゲームです、対象は30歳以上(ただし内容はお子様向け)  

http://site.wepage.com/vestariasaga/20160903224703

”主催者より”のページの記述では、明言は避けていますが、初期のファイアーエムブレムに近いゲームデザインであり、当時ファイアーエムブレムを遊んでいた世代向けの内容です。

私は子供が居るので、少し思うところがあるのですが、子供はレトロ感を気にしないんです。なので、加賀氏は対象は30歳以上と言っていますが、遊ぶ機会さえあれば今の子供でも十分に楽しめる内容だと思います。

うちの子供達も、漢字が読めてルールを理解出来る年齢になったら、プレイする機会を作ろうと思います。

ストーリー

拠点に進軍するマップパート

ヴェスタリアサーガはその名の通り、英雄伝説を年代記風に進めていくゲームです。私は戦記物が好きなので、ヴェスタリアサーガのストーリーはとても面白かったですね。

基本的な話の流れは、ヴェスタリア島での戦争や紛争を中心として展開していきます。その大きな流れの中に、各キャラクターが持つストーリーが織り交ぜられているという構成です。

タイトルに、亡国の騎士とあるように、主人公のゼイドが使える王国は敗戦します。その後、亡命先の国で戦力を整え、王国を取り戻す旅に出る事になります。そして、ゼイドが使える王国の姫君であり、星の巫女でもあるアトルが、ゼイドの旅に同行するというのが話の本筋です。

星の巫女とは、神話の時代に封印された魔王マグルの封印の要となる存在で、星の巫女以外にも複数の巫女が登場します。また、魔王マグルを封印した英雄がヴェスタリア島内に国家を築いており、アトルを含むそれら王家の人間も、深くストーリーに絡んできます。

王国を取り戻す話とは別に、この魔王マグルの封印に関する話も同時に展開していきます。人間相手の戦争とは別に、魔人や竜を相手にする戦いが繰り広げられます。

今作の主人公のゼイドは、騎士としての能力は凄く高いですが、英雄の血統ではないので、魔人相手の戦闘では、力を発揮できません。そこで、王家の血統であるアトルとの関係性が重要になってきます。

ゼイドとアトルは余り面識がなく、旅の始まりの頃には結構な距離間があります。それが、旅を経て徐々に変わっていく様子が丁寧に描かれています。

ここまで読んで気になった方は、ぜひ実際にプレイして、ゼイドとアトルの旅を行方をご覧になってください。

魅力的なキャラクター

進軍開始前に入る会話パート

公式サイトでキャラクターの人気投票をしていますが、プレイし終わる頃には、思い入れのあるキャラクターが絶対に一人は出来るはずです

好感を抱くキャラクターの会話

キャラクターには強い個性があり、作家性が高いです。小説として読んでも面白いんじゃないだろうか?と思うほどです。

キャラクターの絵柄が可愛い事もあり、会話内容もしっかり作りこまれているので、キャラクターが持つ魅力に徐々に引き込まれていきます。

ここから加賀氏のデザインするゲームのキャラクターが、愛される理由が始まると思っています。

SRPG故のキャラクターへの愛着

導入は、会話内容や、絵柄の会話さなど、人それぞれ違うとは思います。ですが、気に入ったキャラクターを使いたいですよね。

そして、ゲーム内での経験値に上限があるが故に、プレイしていると自然と気に入ったキャラクターを優先的に成長させたい、と思うはずです。

全てのキャラクターを最大限まで成長させるのはかなりの難易度を求められます。(可能なんでしょうか?)なので、プレイヤーはキャラクターの成長には、取捨選択を求められます。当然、強いキャラクターを集中的に育てて、楽にクリアを目指す人も居るでしょうが、それよりも、殆どの人は気に入っているキャラクターの成長を優先するのではないでしょうか?

優先的に育てた結果、強くなり、活躍してくれます。そして、強くなる頃には、そのキャラクターのストーリーにも触れて、より好きになっていく訳です。

せっかく頑張って育てたキャラクターには死んで欲しくないですし、前線に送りだして、活躍して欲しいものです。そうやってどんどん愛着が沸いていき、キャラクター愛が強くなるのだと思っています。

そして、私は、これがSRPGの難易度を高くしている一番の理由だとも思っています

キャラクター愛が強いが故の高難易度

私がメインで育てたメルディ

ステータスの強弱に関係なく、気に入っているキャラクターを育てて、メインとして使っていきたい。ヴェスタリアサーガも、私にそう思わせるゲームでした。

更には、キャラクターに愛着がある事は、シナリオとも絡んで難易度を上げているとも思っています。

キャラクター固有イベント

特定のキャラクターで戦いを挑んだ時にだけ発生するシナリオや、キャラクターが死亡していると発生しないイベントが存在します。

親を殺されたキャラクターが居たとして、親を殺した敵と戦い、敵を取る場面があるとします。そのキャラクターで止めを刺したいと思いませんか?

イベントが発生するキャラクターを前線に連れて行かないといけないので、育てておかないといけません。育っていない状態で、無理にイベントを発生させようとすると死ぬ事も多々あります。

ヴェスタリアサーガは、キャラクター専用武器が豊富なのもあり、戦闘でもキャラクターの個性を前面に押し出しています。危機的な局面を、専用武器のおかげで切り抜けられたら、そのキャラクターを頼りに思いますよね。そうやって徐々に愛着が沸いていくのかと思います。

まあ、気に入っているキャラクターを強くした挙句、突っ込ませ過ぎて返り討ちに遭うのはお約束ですね…

バトルデザイン(戦闘)

バトルデザインは、シンプルな設計になっているという印象です。SRPGを遊んだことがある人なら、直ぐに操作出来ると思います。

ユニット特性や武器での特攻とスキルがあり、更にはキャラクター専用武器が多いです。武器での3すくみはないです。

特攻は、飛兵には弓矢が有効、騎馬にはランスが有効といった感じです。痛打するだけなので、回避したり、先制攻撃で撃破する事で、被弾を避けるなど対応が可能です。

スキルに、スキルのおかげで首の皮一枚繋がる事はあっても、それに頼りきりで最後までクリア出来るという事はないと思います。特に、特攻が強いので、強いスキルを持っていても、特攻されると負けます。

専用武器はとても強力ですが、武器に使用回数制限があるので、無双出来る機会は限られています。

それに、そういうキャラクターばかり戦わせていると、経験値が集中してしまって、他が育たないですからね。経験値が限られているというのは、こういうところでも効いてきますね。

戦術マップ

戦術マップはギミックやイベントが多かったです。

今作の特徴としては、花や湖など特定の場所に行くとアイテムが拾えたり、イベントが発生します。

鍵開けや宝箱、伏兵、増援は基本として、ストーリーに絡めたギミックや、防衛、攻城でのギミックと、多種多様なギミックが散りばめられていました。

単純にユニットを移動させて配置するだけの戦略ゲーム的な要素と、ストーリーを絡めたうえでのイベント要素を付けたした、戦術マップ攻略としての要素の2つが合わさっているのだと思います。今作は特に、戦術マップのギミックが多い印象ですね。

面白いので良いんですが、プレイ時間が長いのは、絶対ギミックのせいです…

また、UIは余り凝っていないので特定の移動範囲の固定化や、敵の攻撃可能範囲を表示する機能などが無いです。最初出たファミコンのファイアーエムブレム程度のUIになっています。これは、プログラムはフリーのソフトウェアを使っているので余り作りこまれていないのだと思います。

UIが不便なので操作難易度が少し高くなっていますね。最近のファイアーエムブレムに慣れていると最初は不便さを感じると思います。

攻略

私は攻略サイトを見ながら進めていきました。

加賀さんのゲームはイベントを逃すと仲間にならないキャラクターがいたり特殊な会話イベントがあったりするので、自分でそれらを網羅しながらプレイするのはかなり難しいです。

過去の経験からそれが分かっていたので、最初から攻略サイトを見ながらプレイしています。ネタバレがないようになるべく余り先は見ないで会話イベントの有無と入手アイテムの一覧だけを確認しています。

プレイ時間

正確には計測していないのですが、プレイ時間は相当長かったはずです。期間は、一か月半かかっており、1章毎にクリアするのに10時間はかけていたと思います。(休日丸まる使って1章しかクリア出来なかったとか普通にありました。)20章ありますが、簡単に終わる章もあるので、おそらく150時間くらいですかね。

ストーリーが気になるので早くクリアしたいのですが、拘り過ぎましたね。結局、全員クラスチェンジさせて、アイテムは全部回収、専用武器は勿体なくて余り使わないとか、変なプレイしていましたね。

5ターンに1回しかセーブ出来ないので、やり直す時間がかなり長いです。プレイが上手い人ならもっと短い時間でクリア出来ると思います。

お気に入りの強いキャラクターが育ちきったら、後は無双して一気に終わらせれば良いと思うんですが、思考がそれを拒否するんですよね。他のまだ弱いキャラクターも育てないと!と、頑張ってしまうんです。そしてそのキャラクターが死んで、リセットですよ…

音楽

音楽が結構良かったですね。

私が一番気に入っているのは、ワールドマップでのシナリオ進行時の曲です。ヴェスタリアサーガの公式PVで確認する事が出来ます。11分45秒辺りからの曲です。

ヴェスタリアサーガPV01

オープニングで流れる曲もPVで出ていますね。こちらも旅をしている感じがしてとても良いんですよね。28秒辺りからです。

齋藤博人氏による作曲らしくCDのみの販売ですがオリジナルサウンドトラックも販売されています。

Steamにて「Vestaria Saga I Soundtrack PIANO ARRANGEMENT & 8-BIT MUSIC」が販売されていますね。短いですがいくつかの曲を聴くことも出来ます。

プレイ環境

ゲームパッドは必須です。私は、Xbox Oneコントローラーでプレイしました。最新はXbox Series X用のコントローラーが出ているのでそちらがお勧めです。

フルスクリーンでプレイ出来なかったのと、ウィンドウサイズの変更も出来なかったので、Windowsの"ディスプレイ設定"内の"テキスト、アプリ、その他の項目のサイズを変更する"で拡大してプレイしていました。

Windows10 ディスプレイ拡縮
Windows10 ディスプレイ拡縮

また、プレイ時間がある程度長くなるとFPSが落ちるのか操作しづらくなります。これはアプリを再起動する事で直ります。FPSが低下するとUIの反応が悪くなり操作ミスが増えるので、ちょっと厄介ですね。

まとめ

ゲームデザイン・ストーリー共に私が求めていたゲームそのものでした。

拘り抜いて自分なりの戦略を練る事が出来るバトルデザイン、特定の人物との闘いでのみ発生する演出、キャラクターがその時代を必死に生きている事が感じられるストーリー、それら全てが最高の出来でした。

外伝のシルヴァビルヒの聖なる剣も早くクリアしなくては…
追記:シルヴァビルヒの聖なる剣もクリアしたので、感想を掲載しています。

そして、第二部での完結が楽しみです仕方がないですね。