スマートフォンのワイヤレス充電を便利そうだと思っていても、ワイヤレス充電を使うとバッテリーの劣化が早くなってしまうのではないだろうか?という点が気になっている方は多いかと思います。
結論から言ってしまうと、ワイヤレス充電が直接の原因でスマートフォンのバッテリーの劣化が早まるということはないです。
バッテリーの劣化を気にするよりもワイヤレス充電で利便性を上げた方が圧倒的にQOLが高くなります。
そして、ワイヤレス充電が特別にバッテリーを劣化させる訳ではないという理由と、iPhone 8 Plusを5年間、iPhone XRを4年間ワイヤレス充電でのみ充電し続けているので実際のバッテリーの劣化具合を紹介します。
iPhone 12/13で利用できるMagSafeはQi規格と互換性のあるワイヤレス充電です。ですので、MagSafeとQiのどちらを使ってもバッテリーの劣化具合には大きな違いはないと思います。
また、スマートフォンのバッテリーの使われているリチウムイオン電池は、どういう条件で劣化が進むのかも合わせて紹介したいと思います。
ワイヤレス充電だからと特別にスマホのバッテリーが劣化する訳ではない
iPhoneのバッテリーにはリチウムイオン電池が用いられています。そして、リチウムイオン電池はこれら3つの条件で性能が劣化する事が広く知られています。
- リチウムイオン電池が高温になる
- 満充電状態での放置
- 電池残量が少ない状態(20%以下)での利用
リチウムイオン電池が劣化する直接的な原因にワイヤレス充電は関係ありません。
ですが、ワイヤレス充電中にリチウムイオン電池が高温になるスマートフォンも存在します。高温になるとリチウムイオン電池の性能が劣化するので、そのような機種をお使いの場合は注意が必要です。
iPhoneは有線充電でもワイヤレス充電でも発熱はそれ程違いません。若干ワイヤレス充電の方が高い程度です。
ワイヤレス充電よりも急速充電中のほうが温度が上がりやすいので注意が必要です。
5年間ワイヤレス充電し続けているiPhone 8 Plusのバッテリーの状態
こちらの画像は購入から5年間ワイヤレス充電でのみ充電し続けているiPhone 8 Plusのバッテリーの状態です。
最大容量の81%が利用出来ています。
iPhone 8 Plusは発売日に購入してからずっとワイヤレス充電でのみ充電し続けています。
通勤していた頃は毎日2時間程度はゲーム遊んだり、インターネットに繋いでニュースや漫画を読みながらBluetoothで音楽を再生していました。
ここ2年間は在宅ワークなので、使用状況は変わりましたが漫画を観たりインターネットに繋いでで調べ物をする事は多いので毎日何度か充電しています。
高温状態が続くとリチウムイオン電池が劣化する事が分かっていたので、ケースは利用せずにバンパーと背面フィルムを張って利用していました。
4年間ワイヤレス充電し続けているiPhone XRのバッテリーの状態
iPhone XRも購入してからずっとワイヤレス充電のみで充電しています。先ほどのiPhone 8 Plusの1年後に購入したので利用期間が1年間短いです。
iPhone 8 Plusが1年間で約3~4%程度のバッテリーの劣化、iPhone XRの方は1年間で3%弱程度の劣化という計算になります。
こちらのiPhone XRは手帳型ケースを使っているので、熱がこもりやすく満充電で放置することや、電池残量が20%以下になる事も多いです。
ですが、iPhone 8 Plusに比べてバッテリーの劣化が遅いくらいです。
想像でしかないですが、iPhone XRの方が圧倒的に電池容量が大きいので劣化の進み具合が遅いのだと思います。
改めてiPhone 8 PlusとiPhone XRのバッテリー劣化の比較
iPhone 8 Plus | iPhone XR | |
---|---|---|
使用期間 | 5年間 | 4年間 |
最大容量 | 81% | 89% |
ケース | バンパーとフィルムのみ | 手帳型ケース |
利用の仕方 | バッテリー残量20-80%で利用 | 全く気にしない |
iPhone 8 PlusとiPhone XRの使い方の違いを纏めてみました。
iPhone 8 Plusは細かく充電し満充電とバッテリー残量20%以下の状態を避けるように使用し続けてきましたが、iPhone XRは満充電させたり20%以下でも気にしないで利用してきました。
iPhone 8 PlusもiPhone XRも1年間に2~4%程度劣化しているので、劣化スピードに差はありません。もう少し差が出るのかと思いましたが、意外と差が出ませんでした。
iPhone XRの方がバッテリー容量が大きいので%で見た時に劣化スピードが遅いのだと思います。
それに余程酷い使い方をしない限りそんなに極端な差は出ないのかもしれないです。
ワイヤレス充電のみの利用でも年間2~4%程度の劣化です。
iPhoneは最大容量の80%程度がバッテリー交換の目安という意見が多いですが、年間2~4%程度の劣化であれば80%に到達するのは5~6年後です。
リチウムイオン電池の劣化する条件
ワイヤレス充電を利用しても極端にバッテリーが劣化することがないことが分かったかと思います。
バッテリーの劣化が気になる方向けに、スマートフォンに使われているリチウムイオン電池はどういう条件で劣化が進むのか詳しく見ていきましょう。
リチウムイオン電池は高温状態が続くと劣化する
リチウムイオン電池は高温状態が続くと性能が劣化しますが、ワイヤレス充電程度の発熱では大きな劣化は見られないことが分かりました。
それでも温度が気になる方は温度監視機能が付いているワイヤレス充電器を利用しましょう。
スマートフォンを充電器の上に載せて充電するので、温度が一定以上になると充電を止めて温度が上がりすぎるのを抑えてくれます。
スマートフォンが高温になる条件としては、スマートフォンを操作しながらの充電、急速充電等があります。それらをうまく避けながら利用すれば、バッテリーの寿命も多少は長持ちするかと思います。
発熱による劣化が気になる方はガラスコーティングがおすすめ
ケースに入れると熱が籠りやすくなります。
発熱による劣化が気になる方は、ケースに入れずにガラスコーティングとバンパーを利用するという方法もあります。
iPhone 8 Plusにガラスコーティングを施工してみたのでこちらの記事で紹介しています。
バッテリーは100%の満充電と残量20%以下の放電状態を避ける
リチウムイオン電池は「バッテリー100%の満充電」と「バッテリー残量が低下した状態」でも劣化します。これを保存劣化と言います。
100%の満充電は就寝中に充電して放置する方などが当てはまります。
最近のスマートフォンにはバッテリーの充電が80%以上になったら充電速度を遅くする機能が付いています。このことからメーカーも80%以上の充電状態を避けるようにしていることが分かります。
iPhoneはバッテリー充電の最適化を有効にする事で、80%以上の充電を避ける事が出来ます。設定アプリ > バッテリー > バッテリーの状態 > バッテリー状態の最適化を有効にする事で設定出来ます。
そして、バッテリー残量が低下した状態でのスマートフォンの利用もバッテリーの劣化を招きます。
iPhoneではバッテリー残量が20%を切るとバッテリー残量がアイコンが赤く表示されると同時に低消費電力モードへの切り替え通知が出ます。
電池残量が低下していると急速充電する方が多いと思います。
急速充電はかなり発熱するのでバッテリーの劣化が早まります。
前述したように熱はバッテリー劣化の原因の1つです。
電池残量が低下した状態での利用は、リチウムイオン充電池の特性的にもバッテリーを著しく劣化させるだけでなく、その後の急速充電でも更にバッテリーの劣化させる可能性があります。
充電回数が多いと早く劣化する?
充電・放電を繰り返す事によるバッテリーの劣化をサイクル劣化と言います。
充電回数が多いとバッテリーが直ぐに劣化するのでは?と思っている人がいるかと思いますが、それは”ニッケル水素電池”や”ニッカド充電池”の特性であり”リチウムイオン電池”はそうではありません。
iPhoneに使われているリチウムイオン電池は充電頻度が多いという理由でバッテリーの劣化が早くなるということはありません。
仕様欄に記載されている電池寿命の充電回数は0%から100%まで充電した時の回数を表しています。
つまり、充電・放電の総電圧量がバッテリーの劣化を決めます。同じ利用量であれば充電回数が多くても少なくても同じ程度劣化します。
MagSafe対応iPhoneにおすすめ充電器
MagSafeはとても便利なワイヤレス充電器です。
これまでに説明した通り、MagSafe充電器を利用したからと特別にバッテリーが劣化する訳ではありません。
そこでおすすめのMagSafe充電器を紹介したいと思います。
MagSafe対応iPhone、Apple Watch、AirPodsも同時に充電可能な充電器
Apple Watch、AirPodsをお持ちの方はまとめて充電できるこちらのモデルがおすすめです。
Belkinの充電器はApple Storeで取り扱っている製品なので信頼性が高いです。
カラーは黒と白があります。
スタンドタイプの中ではこちらの充電器が機能性とデザインを兼ね備えた充電器かと思います。
MagSafeの最大充電速度の15Wで急速充電することができます。
iPhone、Apple Watch、AirPodsを同時に充電できるので必要な電源は40Wです。こちらの製品は40Wの電源アダプターが付属しているので別途購入する必要はありません。
Belkin BOOST↑CHARGE™ PRO
MagSafeをとりあえず試してみようという方にはBelkin BOOST↑CHARGE™ PROがおすすめです。
こちらもApple Storeでも取り扱っている製品なので信頼性があります。
普段は収納してあるスタンドを立てれば横置きで立てかけられるので便利です。
Qiにも対応している充電器ですのでAirPodsなどの充電も可能です。
コンパクトで取り回しが良いのでお出かけ先にも持って行けますし、充電しながら手に持つことや、更には横置きにしてスタンドを立てれば動画を見ながらの充電も可能です。
MagSafe対応なので15Wでの急速充電が可能です。
電源アダプターは付属していませんのでこちらの充電器を購入する場合には30W以上の電源アダプターをおすすめします。
理由はBelkinの公式通販サイトで電源アダプターとセットで購入すると30Wの電源アダプターが付いてくるからです。ワット数がぎりぎりの電源アダプターを利用するのは避けた方が良いのかもしれません。
USB-Cの電源アダプターはPower Delivery)対応の製品おすすめです。
理由はPower Deliveryに対応していることで安定して電源を供給することができるからです。
Anker 637 Magnetic Charging Station(MagGo)
Anker 637 Magnetic Charging StationはMagSafeだけではなく、ACコンセント x 3(合計1000Wまで)、USB-C x 2(PD対応、合計最大65W)、USB-A x 2が利用できる充電器です。
USB-Cは1口の最大電力は45W、合計65Wまで
USB-Aは1口の最大電力は12W、合計も12Wまで利用できます。
USB電源が複数必要な方はこちらの充電器を利用することでコンセント周りがすっきりするのでおすすめです。
MagSafe対応、モバイルバッテリー
こちらのモバイルバッテリーの1番のポイントは、MagSafe対応なので充電用ケーブルがいらないという点です。
スマホを持ち歩きながら充電する時に充電ケーブルはかなり邪魔になります。こちらのモバイルバッテリーなら充電する時のケーブルがいらないので、持ち歩きながらの充電が楽になります。
カラーバリエーションも6色ですので、iPhoneに合った色を選ぶことができます。
容量は5000mAhですのでiPhoneを1回フル充電できるだけのバッテリー容量になります。
Qi対応スマートフォンのおすすめ充電器
初めてワイヤレス充電器を使う方にはAnker PowerWave シリーズがおすすめです。
既にUSB-A電源アダプターのお持ちの方はUSB-A接続のPowerWave 10 Padが値段が安くておすすめです。
iPhoneはQi充電は7.5Wまでしか対応していないので10Wの製品で十分です。
Galaxyなどの15Wでのワイヤレス充電に対応したスマートフォンをお使いの方は、電源アダプター不要のAnker PowerWave II Padがおすすめです。
15Wだと充電速度は早いのですがその分発熱量も多いみたいなので注意が必要です。
まとめ
実際に5年間ワイヤレス充電のみで充電し続けていても電池容量が81%ありました。
このことからワイヤレス充電が必ずしもバッテリーを劣化させる訳ではないことが分かるかと思います。
バッテリーの劣化の主な原因は熱、満充電・低残量での利用が原因です。
ワイヤレス充電は発熱しやすいですが、適切な充電器の利用など環境を整えればそれ程劣化しません。
私がワイヤレス充電を利用し始めた理由は、端子に接続しての充電はケーブルが邪魔ですし、何よりもケーブルやスマートフォン本体の端子が直ぐにダメになるからでした。
一度はマグネットタイプの充電ケーブルも考えたのですが、実際に使っている知り合いに聞くと定期的に接続端子がダメになるみたいでした。
充電ケーブルを定期的に買い替える手間や出費、更には本体の端子がダメになるとダメージが大きいのでワイヤレス充電はとても有用です。
ワイヤレス充電に切り替えてからはケーブルに接続していない訳ですから、充電用の機器が壊れたことは一度もありません。
MagSafe対応ワイヤレス充電器はこちらの記事でも紹介しています。