近年、スマートフォン・スマートスピーカーに代表されるようにWi-Fi通信を必要とするガジェットが増えています。
新しいガジェットだけでなく、テレビなどの既存の家電もWi-Fi通信をする事でより便利に使えるようになってきています。
現代のWi-Fi通信機器が多い家庭では、Wi-Fi 6対応ルーターがお勧めです。そして、Wi-Fiルーターを新しくするのであれば、メッシュWi-Fiに対応しているルーターが特にお勧めです。
Wi-Fi 6とは?
Wi-Fi 6を凄く簡単に説明すると、複数の通信端末と高速に通信できるように改良された最新のWi-Fi通信規格です。
Wi-Fi 6に関して知りたい方向けにこちらの記事で解説しています。
メッシュWi-Fiとは?
メッシュWi-Fiとは、複数のWi-Fiルーターで1つのWi-Fi通信ネットワークを構築することです。
広いお宅では1台のWi-Fiルーターでは全ての部屋をカバーしきれません。そこで、複数のWi-Fiルーターを設置する事になりますが、メッシュWi-Fiに対応していないWi-Fiルーターと、対応しているWi-Fiルーターでは利便性が異なります。
メッシュWi-Fiに対応していない環境では、Wi-Fiルーターごとに接続設定が必要です。例えば、リビングと寝室でそれぞれにWi-Fiルーターを設置している場合、部屋を移動した時にWi-Fi接続設定を切り替える必要があります。
Wi-Fiルーターの切り替えが上手くいかないと遠くの電波の弱いWi-Fiにいつまでも接続していたり、Wi-Fi接続が切れてしまい、モバイル通信に切り替わってしまう可能性があります。
メッシュWi-Fi環境ではWi-Fiへの接続設定は1つで完了します。
Wi-Fiルーターが複数台あっても接続設定は1つです。リビングと寝室のWi-FiルーターでメッシュWi-Fiを構築している場合、部屋を移動しても接続設定が継続されるだけでなく、自動的に最適な(電波が強い)Wi-Fiルーターに自動的に接続を切り替えます。
メッシュWi-Fiを構築する為のWi-Fiルーター間での通信は無線・有線どちらでも通信可能ですが、基本的に有線接続しておいた方が通信は安定します。
Wi-Fi 6 & メッシュWi-Fi対応 エントリーモデル
Wi-Fi 6とメッシュWi-Fiに対応している製品の中で、エントリーモデルの製品を紹介します。
Wi-Fi 6対応ルーターは基本的に10,000円以上の製品が多く、Wi-Fi 5以前のWi-Fiルーターに比べて価格は高めめになっています。
Wi-Fi 6が多数の通信端末と通信する事を前提に作られた通信規格ですので、それに対応した製品なので必然的に高性能な物が多く、それが価格に反映されているのだと思います。
低スペックなWi-Fi 6対応ルーターでは、せっかくWi-Fi 6の製品なのに思ったほど通信が快適にならない可能性が高いです。
家族が多く複数の通信端末を利用するような家庭、更にはYouTubeやTikTok等の動画サイトの視聴頻度が高い家庭では、それなりのスペックのWi-Fi 6対応ルーターがお勧めです。
ASUS TUF-AX3000
ASUS TUF-AX3000は、機能が特別に多い訳ではない分求めやすい価格帯にある製品です。
5GHz帯での通信速度は2404Mbps、2.4GHz帯では574Mbpsと比較的高速な通信が可能です。
外に出ているアンテナが4本あるのが特徴で、5GHz帯2×2、2.4GHz帯2×2のアンテナ数となります。
BUFFALO WSR-5400AX6S
内臓アンテナタイプが良い方には、BUFFALO WSR-5400AX6Sがエントリーモデルとしてはお勧めです。
5GHz帯で4803Mbps、2.4GHz帯で574Mbpsとかなり高速な通信が可能です。
アンテナは、内蔵アンテナが5GHz帯が4本、2.4GHz帯が2本です。
エントリーモデルの比較
TUF-AX3000 | WSR-5400AX6S | |
---|---|---|
Amazon価格 | 14,500円 | 15,455円 |
5GHz帯通信速度 | 2402Mbps | 4803Mbps |
2GHz帯通信速度 | 574Mbps | 574Mbps |
5GHzアンテナ数 | 外付け 2 | 内蔵 4 |
2.4GHzアンテナ数 | 外付け 2 | 内蔵 2 |
通信可能台数 | 64台 | 64台 |
価格は1,000円しか違いがありません。
WSR-5400AX6Sの5GHz帯のアンテナが2本多い分、通信速度で倍の違いが出ています。
通信速度以外の一番の違いは、外付けアンテナと内臓アンテナの違いです。基本的に、外付けアンテナの方が電波は強くなります。見た目的には内蔵アンテナの方がすっきりしています。
電波強度を優先するのであればTUF-AX3000、通信速度を優先するのであればWSR-5400AX6Sになるかと思います。
Wi-Fi 6 & メッシュWi-Fi対応 ハイエンドモデル
ハイエンドモデルとエントリーモデルの違いは、WANポート(インターネット側の通信ポート)の通信速度と、アンテナ数です。
Wi-Fiの通信速度が速くてもWANポートの通信速度が遅いとインターネットを介した通信では速度が出ません。そこで、ハイエンドモデルでは2.5Gbps~10Gbpsの通信速度に対応したWANポートと搭載している物を選んでいます。
また、WANポートの通信速度が速くても、インターネットの回線速度が遅いとやはり意味がありません。インターネットの通信速度に関してはこちらの記事で紹介しています。
ASUS RT-AX86U
ASUS RT-AX86Uは、WANポートが2.5Gbpsの通信速度のモデルです。
Wi-Fiの通信速度は5GHz帯で4804Mbps、2.4GHz帯で861Mbpsとエントリーモデルの BUFFALO WSR-5400AX6Sと大差ありません。
Wi-Fi 6の製品としてはこの辺りが通信速度の実質的な限界点で、後はアンテナ数が多いと同時に複数の端末が通信しても安定しているだけだと思っています。
BUFFALO WXR-5700AX7S
BUFFALO WXR-5700AX7SはWANポートの通信速度が10Gbpsという優れものです。
アンテナは5Ghz/2.4GHz共通アンテナが3本、5GHzアンテナが1本です。
こちらの製品には更に上位のモデルが存在するのですが、メッシュWi-Fiに対応していない(2021年11月対応予定)のと、2.4GHzの通信速度が若干早い程度なので、余りコスパはよろしくありません。
ハイエンドモデルの比較
RT-AX86U | WXR-5700AX7S | |
---|---|---|
Amazon価格 | 28,289円 | 27,280円 |
5GHz帯通信速度 | 4804Mbps | 4803Mbps |
2.4GHz帯通信速度 | 861Mbps | 860Mbps |
5GHz帯アンテナ | 4 | 1 + 2.4GHz共通1 |
2.4GHz帯アンテナ | 3 | 5GHz共通3 |
通信可能台数 | 70 | 64 |
WANポート通信速度 | 2.5Gbps | 10Gbps |
一番の違いはWANポートの通信速度です。 WXR-5700AX7Sは10Gbpsに対応しているので家庭用の通信速度としては最速の規格になります。
最近ではNURO 10G、auひかりホーム10ギガとインターネット通信速度も10Gbpsに対応しているので、それらを契約している方にはWXR-5700AX7Sがお勧めです。
WXR-5700AX7Sで気になるのは、通信アンテナ4本のうち3本が共通アンテナという点です。
私は5Ghz帯の通信しか使わないですし、大抵の方は通信速度の速い5GHz帯を利用すると思います。2.4GHz帯を利用するのは、古い端末や通信速度よりも安定性が求められる端末に限定されます。
例えば、Apple HomePod miniは、802.11n(Wi-Fi 4)にしか対応していませんが、802.11nでは300Mbps程度の通信速度しか出ないので、遠くまで通信できる2.4GHz帯の方が良い場合があります。
そのような製品が多い場合には、共通アンテナは少し不利かもしれません。
どちらも製品も外付けアンテナですので、通信カバーエリアは広いモデルです。電波が弱いエリアに外付けアンテナを向ける事で電波状況を改善できる可能性があるのが外付けアンテナの利点です。
Wi-Fi 6 & メッシュWi-Fi対応 ゲーミングモデル
FPS(シューター)、MMORPGをプレイする方はラグに強いゲーミングモデルをお勧めします。
ゲーミングモデルはBUFFALOからは発売していないので、ASUS製品だけの紹介です。
ASUS TUF-AX5400 & RT-AX86U
どの機能を持ってしてゲーミングモデルと呼んでいるのか?というのが気になりますよね。
それはQoSに対応しているかどうかです。BUFFALOもWi-FiはQoSに対応しているのですが、LAN通信は対応していません。
QoSはQuality of Serviceの略称です。
ネットワーク上のサービスを安定して使えるようにするために、データを通す順番や量を調整する技術のことです。
QoSに対応している製品では、ゲームをプレイしている通信端末を指定して、優先的に通信させることが出来ます。QoSがないと、ゲームプレイ中の家族がYouTube、Netflix等で動画を見ていると、ゲームの通信が遅延します。
本気でゲームをする方にはQoS機能は必須です。
使い方は簡単でゲーミングLANポートの接続先を、ゲームをプレイする端末に接続するだけです。
Wi-Fi通信よりも有線(LAN)通信の方が速度が速く安定している事は、こちらの記事で紹介しています。Wi-Fi 6といえど有線通信の安定性にはかないません。
RT-AX86U | TUF-AX5400 | |
---|---|---|
Amazon価格 | 28,289円 | 20,000円 |
5GHz帯通信速度 | 4804Mbps | 4804Mbps |
2.4GHz帯通信速度 | 861Mbps | 574Mbps |
5GHz帯アンテナ | 4 | 4 |
2.4GHz帯アンテナ | 3 | 2 |
通信可能台数 | 70 | 70 |
WANポート通信速度 | 2.5Gbps | 1Gbps |
価格が約8,000円違うので性能にも明確に違いがあります。
Wi-Fi通信の性能差は殆どないので、WANポートの通信速度が決め手です。
NURO 2G等の高速インターネット回線を契約している方はRT-AX86Uがお勧めです。インターネット回線が1Gbpsの方はTUF-AX5400で十分かと思います。
TUF-AX5400はゲーミングモデルとして人気なのか、バリエーションがいくつかあるのが特徴です。
ガンダムモデルはとてもかっこいいですね。
ASUS RT-AX86Uのレビュー
私は今回紹介したWi-Fiルーターに含まれているASUS RT-AX86Uを実際に使用しています。
詳しくはこちらの記事で紹介しています。
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