Wi-Fiルーターは長い間NECのAterm WG1800HPを使用していました。
Wi-Fi通信する家電が増えた影響でWi-Fi通信での接続障害が発生するようになりました。昔のWi-Fiルーターなので同時接続可能な台数が少ないみたいです。
今や家庭内でのWi-Fiは必須の時代なのでWi-Fiルーターを新しく購入することにしました。
いくつか候補の中からASUS RT-AX86U (A)を購入しました。末尾に(A)が付いているのはAmazonで販売しているモデルです。通常のRT-AX86Uと同じスペックとなります。
RT-AX86Uを選んだ理由と、実際に使用してのレビューを紹介したいと思います。
Wi-Fi6対応ルーターのスペックを比較
Wi-Fiルーターといえば、ASUS、Tp-Link、NETGEAR、Buffalo、NECの製品があります。
Wi-Fi6に対応しているWi-Fiルーターに絞って選考しました。これからの時代Wi-Fi6に対応していないWi-Fiルーターを買うメリットは殆どないです。
今回比較しているWi-Fiルーターはどれも通信速度は5GHzで4800Mbps、2.5GHzで800~1200Mbps程度です。
デュアルバンドWi-Fiルーターだと近距離でしか通信できない代わりに速度が速い5GHzと、長距離でも通信が可能だけれど通信速度が遅い2.5GHzでの接続を自動的に切り替えてくれて便利です。
Tp-Linkは中国企業でコスパは良いのですがネットワーク通信に不要なパケットが含まれることが分かっているので絶対に購入を避けています。
TP-Link製ルーターが大量のトラフィックをAviraへ送信しているとの報告、関連サービスをオフにしても送信は止まらず – GIGAZINE
ASUS RT-AX86U
ASUSは台湾の電子機器メーカーです。パソコンパーツなどで有名です。
私が購入したRT-AX86Uは2.5GBASE-Tのポートを1つ搭載しています。同時接続可能なデバイス数は70台です。ASUSのメッシュWi-FiはAPモードでも利用可能です。
NETGEAR AX6000 Nighthawk AX12
NETGEARはアメリカ合衆国の企業です。
NETGEAR製品だと価格的にAX6000 Nighthawk AX12が比較対象になります。最大5Gbpsのマルチポートを搭載しています。
同時接続可能なデバイス数が30台です。
メッシュWi-Fiには未対応です。
Buffalo WXR-6000AX12S
BuffaloはWi-Fiルーターで有名な愛知県名古屋市に本社がある日本企業です。
フラグシップのWXR-6000AX12Sが10GBASE-Tを2ポート搭載しているのが魅力的です。
メッシュWi-FiはAPモードだと使えないという制限があります。
NEC Aterm AX6000HP
NECは言わずと知れた日本の電子機器メーカーです。
フラグシップのAterm AX6000HPは10GBASE-Tを1ポート搭載しています。
当時接続可能なデバイスは36台です。
メッシュWi-Fiは未対応です。
Wi-Fi6ルーターのスペックを比較表
それぞれのWi-Fiルーターの特徴をまとめました。
有線接続の最大通信速度 | 最大同時接続台数 | メッシュWi-Fi | |
---|---|---|---|
RT-AX86U | 2.5Gbps | 70 | 常に可 |
AX6000 Nighthawk AX12 | 5Gbps | 30 | 不可 |
WXR-6000AX12S | 10Gbps x 2 | 36 | ルーターモードのみ可 |
Aterm AX6000HP | 10Gbps | 36 | 不可 |
RT-AX86Uが最大同時接続台数が飛びぬけています。
有線接続時の最大速度はWXR-6000AX12Sが圧倒的です。特にRJ45コネクタが2ポートなので利便性が良いです。
メッシュWi-Fiを利用する方は、Wi-Fiルーターをルーターモードで起動するのか?それともAPモードで起動するのかを十分に確認しましょう。
ASUSであればどちらのモードでもメッシュWi-Fiに対応しているのですが、他のメーカーはルーターモードでしかメッシュWi-Fiを構築できない場合が多いです。
ルーターモードWi-Fiを構築するデメリットは、接続しているWi-Fiルーターごとにネットワークセグメントが変わってしまうことです。
AirPlay、Chromecast、スマートフォンのアプリから他の端末への転送(Netflix、YouTubeが対応している機能)などはお互いの機器が同じネットワークセグメントに接続していることが条件です。
IoT機器などもそうです。スマートスピーカーと操作する機器が違うネットワークセグメントだと認識できなくなります。
もう少し安い価格帯のWi-Fi6対応ルーターの比較記事
今回は3万円以上と比較的スペックの高いWi-Fiルーターを比較検討しました。
Wi-Fi6対応ルーターは1万円代からあります。
そちらを含めた比較はこちらの記事で紹介しています。
同時接続最大接続数とメッシュWi-Fiで選ぶならASUS RT-AX86U一択
これからの時代はWi-Fiで接続するデバイス数が増える一方です。減ることはまずないと思います。
それを考えると同時接続可能な台数が圧倒的に多いASUS RT-AX86Uはとても魅力的です。
子どもが3人いる家庭なのでこれからのことを考えてLANの通信速度よりも同時接続可能な台数を優先しました。
戸建て住宅だとフロアを挟んだ通信が弱いので、将来的にメッシュWi-Fiを構築したいという希望もあります。
また、他のメーカーのWi-FiルーターはメッシュWi-Fiへの対応が中途半端です。ASUSのメッシュWi-FiはルーターモードだけでなくてAPモード(ブリッジモード)でも使えるのが特徴です。
ASUS製品ならRT-AX89Xがフラグシップ
ASUSにはRT-AX86Uよりもスペックの高いWi-Fiルーターが1つだけ存在します。
RT-AX89Xは10Gbps対応ポートをRJ45とSFP+でそれぞれ1つずつ搭載しているのが特徴です。
RT-AX86UはLANの最大速度が2.5Gbpsと一番遅い点だけが唯一の弱点ですので、そこが気になる方はRT-AX89Xの購入をおすすめします。
私がRT-AX89XではなくRT-AX86Uを選んだ理由はファンレスだからです。RT-AX89Xは空冷ファンが搭載されています。
ファンの音が気にならない場所に配置するのであればRT-AX89Xはおすすめです。
ASUS RT-AX86Uをレビュー
ASUS RT-AX86UはAtermのWi-Fiルーターに比べると一回り大きいです。
スペック表では242 x 100 x 325 mmとなっています。
画像はiPhoneで計測したもので横幅は約24cm、高さは約18cm、奥行きは約9cmとなっています。
重さは814gとファンレスの割には意外と軽いようです。
2.5GBASE-T x1、1000BASE-T x 5、USB3.0が接続可能
背面には有線での接続端子が並んでいます。
USB3.0でストレージを2台まで接続できます。USB接続でNASを置いておきたい方には便利ですね。
緑のポートは2.5GBASE-TのRJ45コネクタです。このポートはWebの設定画面でWANとLANとを切り替えることができます。デフォルトではLANになっていたので私はWANに切り替えて使っています。10Gbpsのインターネット回線に接続して速度テストをいた限りではきちんと2.5Gbpsで通信をしていました。
青いポートはデフォルトのWAN接続ポートで1000BASE-Tなので1Gbpsの通信速度です。
残りの黄色いポートは全て1000BASE-Tで1Gbpsで通信できます。一番左のポートはQoSが設定されておりコンポートに接続した端末の通信が優先されます。ゲームをする方はこのポートに直接LANケーブルを接続すると低遅延での通信が可能です。
付属のLANケーブルはCat5eが2本
2.5GBASE-Tのポートが付いているのとリンクアグリゲーションに対応しているからか、Cat5eのLANケーブルが2本同梱されていました。
Cat5eは2.5Gbpsでの通信に対応しているのですが、LANケーブルの規格的に通信速度がより速いCat6A以上のLANケーブルの利用をおすすめします。
1Gbpsでの通信でもCat6A以上の方が低遅延です。
Cat5eとCat6Aの通信遅延の違いはこちらの記事で紹介しています。
リンクアグリゲーション
リンクアグリゲーションは複数のLANケーブルでの接続を1つの接続として仮想的に纏めて通信する方法です。
APモード(アクセスポイントモード・ブリッジモード)で利用するにはメインルーターがリンクアグリゲーションに対応していないといけないので私の環境では利用できませんでした。
ルーターモードに切り替えて試してみた限りでは2.5GBASE-Tと1000BASE-Tのポートの組み合わせでも利用できるようでした。
リンクアグリゲーションの設定方法 | サポート 公式 | ASUS 日本
iPhone 8 Plusでの通信速度
iPhone 8 PlusはWi-Fi6未対応の端末です。
Aterm WG1800HPとの接続では400Mbps程度が限界でしたが、RT-AX86Uとの通信では600Mbps程度の速度がでています。
Wi-Fi6は複数の端末との通信に最適化されています。
iPhone 8 Plus以外にも常に他のデバイスが接続されている環境でのテストですので通信速度が改善されても何ら不思議ではありません。
同じくWi-Fi6未対応のiPhone XRでも通信速度が200Mbps程度向上したので、iPhone 8 Plusだけが通信速度が速くなる訳ではないようです。
家中のWi-Fi通信端末全ての通信速度が向上しているのだと思います。
カスタマイズ可能なQoS
QoS(Quolity of Service)は特定の端末の通信、特定の内容の通信を優先して通信する技術です。
ネットワークは色んな通信が同時に発生すると遅延が発生します。そこで、遅延が発生すると支障がでるような特定の通信を優先することで遅延を抑えることができます。
QoSが常に有効になっているGaming Portもありますが、それ以外にもWi-Fi通信用のQoSがあります。
Wi-Fi利用の用途に合わせてQoSをカスタマイズすることができます。
デュアルバンド接続のスマートコネクト
デュアルバンド接続はWi-Fiルーターと通信端末との接続状態に合わせて5Ghzと2.5GHzを切り替えてくれる機能です。
正直この機能にはそれほど期待していなかったのですが、実際に使ってみると接続範囲がかなり広がるのが分かります。
今まではiPhoneは通信速度を優先して5GHzで接続していたのですが、その分家の端の方に行くとWi-Fi接続が切れることがありました。
ASUSのデュアルバンド接続でのスマートコネクトを有効にしたら、Wi-Fiルーターとの距離が離れたら自動的に2.5GHzへと切り替えてくれるので接続範囲が格段に伸びました。
野外だと障害物がないのでWi-Fiルーターから20-30メートル離れていても繋がります。
庭でWi-Fi接続を維持したい方にはおすすめの機能です。
2.5GHzは5Ghzに比べると確かに遅いですが、動画を見たりしても不便を感じることはありません。
5GHzと2.5GHzの切り替え条件は自由に設定できます。私はデフォルトの設定のままで利用していますが特に問題を感じていません。
ASUS Routerアプリ
ASUS Routerアプリを利用することでスマートフォンから最新の状態を確認することができます。
複雑は設定はWebブラウザから行う必要がありますが、簡単な設定はアプリでも変更可能です。
AiMesh(メッシュWi-Fi)の構成、接続しているデバイスの一覧、通信量(トラフィック)のリアルタイム表示などが可能です。
RT-AX86Uに繋がっている端末の台数が17と表示されています。RT-AX86Uはこの数字が70になるまでは安定して通信できるはずです。
上限を超えたり1つのWi-Fiルーターに接続端末が集中している場合にはWi-Fiルーターを追加してメッシュWi-Fiを構築することで接続先を分散することができます。
Wi-Fiで接続する端末が多いとアプリで簡単に接続状況を確認できるのは便利です。
LEDランプはオフにできる
前面部にあるLEDライトはそれなりに明るいのと点滅しています。
このLEDライトは本体脇のボタンかアプリ or Webの設定画面でオフにすることができます。
まとめ
色んなWi-Fiがあるのでその中から1つを選ぶのは大変な作業でした。
そうして選んだASUS RT-AX86Uですが購入して正解でした。
一番のポイントはWi-Fi6対応ということで既存の端末の全ての通信が速くなったことです。
その次に大きなポイントはデュアルバンドのスマートコネクトです。5GHzと2.5GHzを自動的に切り替えてくれるのでスマートフォンのような持ち運びする端末でWi-Fiが切れることがなくなったのは大きな変化でした。
スマートフォンが普及している現代ではWi-FiルーターはQOLに直結します。
そしてWi-Fiルーターは10年は使えるのでそれなりに良いスペックの物を購入することをおすすめします。